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​ご挨拶

 このたび、「子どもと家族の健康と幸福のための理学療法学」というメインテーマで第10回日本小児理学療法学会学術大会を秋の札幌で開催することとなりました。この大会では、我々の学問たる小児理学療法学が、これまでにどのように社会に貢献してきたのかを考えてみたいと思います。

 私が理学療法士となったこの40年の間、「障害の克服」を至上命令とした時代、「卓越した技術」が子どもたちやご家族を取り囲んでいた時代、「エビデンスの登場」により、治療にパラダイムシフトが起こった時代、そして今や「エビデン

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スの集積」により、ガイドラインを構築する時代へと進んできました。このようなフェーズを経験してきた中で、理学療法士は何を考え、どのように社会からの要請に応えて来たか、さらに今後、どう応えるべきか、今一度、考えてみたいと考えています。

 健康と幸福はどの時代においても、絶対的な人の願いです。この普遍的で「無条件な願い」である健康と、「人生の目標」である幸福に対し、理学療法はどのようなスタンスで子どもたちやご家族に寄り添ってきたのでしょうか。もっと具体的に言うならば、子どもに対する理学療法は、彼らの健康を維持、向上するために貢献してきたか、理学療法士は幸福を意識しながら仕事をしてきたか、時代背景や価値観の変遷などを考慮し、その検証をしながら、これからの時代の理学療法学という科学が、健康と幸せに向かって何が出来るのか、何をやらねばならぬかを議論し、社会への貢献につなげる契機にしたいと考えております。

大会においてはメインテーマに則った多くの企画や演題発表を行い、今後の小児理学療法学の発展に寄与できれば幸甚であります。皆様の多くのご参加を準備委員および理事一同、心よりお待ちしております。

 

第10回日本小児理学療法学会学術大会

学術大会長 小塚直樹

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